キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 ……そんな秘めた思いは叶う事はなく、儚く散った。

 どこからか情報が漏れたのか、日明財閥の敵対組織に祖父と恋仲だった女生徒が拘束された事があった。

 あと一瞬遅ければ、女生徒は命を奪われていたらしい。ギリギリのところで祖父が助けに入ったそうだが、女生徒には深すぎるトラウマとなったそうだ。

 その後日明財閥に恋仲だった事がバレた二人は距離を取る事を余儀なくされて、それ以来一切連絡をとっていない……と聞かされた。

 過去の事例があるから、今ではより一層一般人との接触が難しくなった日明財閥。

 父が祖父に懇願し“明暮”という別の苗字を用意していなければ、俺は今の学校に通う事はあらへんかった。

 もちろん、鈴賀夜優という少女に心奪われる事やって。

 今の俺がいるのは、『普通の生活を送らせてやりたい』と願った父がいるから。関西人であった母を早々に失くした俺と来歌に、これ以上の辛い思いをさせたなかったんだと理解している。

 けど今回、俺のせいで夜優を危険な目に遭わせてしもうた。

 俺が日明財閥の人間なばっかりに、今日みたいな馬鹿な事に巻き込んでしもうたんや……っ。