キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 無意識に視線が足元に落ちる。

 私は、これからどうしたらいいんだろう……。

 その後はそんな悶々としている疑問を抱えながら、メイドさんに聖来君のお部屋まで案内される。

「聖来様、鈴賀様がお戻りになられましたよ。」

 コンコンと軽いノックを響かせたメイドさんは慣れた口調でそう言い、一歩身を引く。

 直後聖来君が扉を開け、私を部屋に入れた。

 私がメイドさんに会釈したのを確認してから、扉を閉めてくれた聖来君。

 お風呂に入る前までいた部屋に戻ってくると、ふわりと聖来君の香りの代名詞ともいえるシトラスが掠めた。

 聖来君は照明の色をオレンジ色に変えて、私の髪の毛をさらりと指に通した。

「風呂、どうやった?」

「……き、気持ち良かったです。」

「なら良かったわ。ネグリジェ、似合っとるで。」

「う……あ、りがとう。」

 あ、甘い……甘すぎる……っ!

 今まで聖来君が私に向けてくれていた眼差しは、優しいものばかりだと思い込んでいたけれど。

 考えてみれば多少甘さも入っていたようで、目を合わせれば胸焼けしてしまいそうだった。