キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 以前入った事のある来歌君との部屋とはまた違う印象を覚え、新鮮な気持ちになる。

 けれど……あのお家とは何もかもが違う。

 空気から、雰囲気から、厳格な場所だと改めて再確認させられた。

 聖来君は慣れたように部屋の奥の扉を開け、部屋の出入り口に突っ立っている私のほうを振り返る。

 言葉にこそ口にしないものの、『来い』と言われている気がしてならない。

 ここまで来てしまった。多分、私だけの力じゃ到底逃げられなんかしないだろう。

 流石にやっと諦めがついた私は、一歩一歩確実に歩みを進めて聖来君についていく。

 私が奥の扉を通ると聖来君は閉めてしまい、キングベッドに腰を降ろした。

「夜優、おいで。」

 ね?と副音声が付きそうな、優しい声色で手招きされる。

 ……も、私はそれを拒否した。

「む、り……。」

「……良い子やろ?」

「っ、できない……。」

「ん、おいでって言っとるやろ。」

「ひぁ……っ。」

 必死になって首を左右に振る抵抗は虚しく消え失せ、ぽすんと聖来君の腕の中に閉じ込められる。