「夜優、立てるか?」

「あ……う、うん。立てる、よ……。」

 すっと手を差し伸べられ、自分を律しながらその手を取って立ち上がる。

 そうすると何故か聖来君はそのまま手を握り、軽く振り返った。

 月光が入り込む倉庫で、聖来君の姿は恭しく照らされる。

「とりあえず、こっから離れよか。」