キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 唇が震える。手も足も、座っているのにすくんできた。

 そんなわけないって言ってほしい。だってこんな、聖来君がこの街を支配しているなんて……考えられない。

 でも聖来君は、あっけなく真実を告げた。

「そ、俺は日明財閥の人間やで。今まで黙ってて堪忍なぁ。」

「ほ、んとに……っ?」

「こんなとこで嘘吐いたってあかんやろ? それに、ほら。」

 そう言って見せられたのは、日明財閥の紋章が入った手帳。

 開いて見せてもらうと名前欄のところに【日明財閥長男:明暮聖来】と書かれている。

 顔写真も隣に貼ってあり、写真の中の聖来君は冷徹で無表情で。

 まるで私と話す前までの聖来君みたいで、ヒュッと息が掠れた。

 間違いじゃ、ない……?

「これでどうや? 信じてくれた?」

「……違うよ、違う。」

「何が?」

「聖来君が日明の人だなんてっ……そんな凄い人だなんて、違う……っ。」

 そもそも私は日明財閥の事自体信じていないし、幻想の類なんじゃないかって思っている。

 ここで認めてしまえば、本当に日明財閥は実在していたと直面してしまう。