キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 近くのフェンスに寄りかかっていて、体調が悪そうに見える。

 どうしたんだろう、あんなところで。

 まだ朝早いのに、家出とかかなぁ……。

 私が何を思っても状況は変わらないんだろうけど、心配になってしまう。

 一声だけ、声かけてみる……?

 全然元気ならそれでいいし、もし何かあったんだったら少しでも力になりたい。

 うん、そうしてみよう!

 そう決めた私は、そろーっと彼に近付いてみる。

 彼は私に気付いているような様子を見せず、ただ足元の一点を見つめていた。

 怖がらせないように、慎重に慎重に……。

「あ、あの――」

「この街って、どいつもこいつも人の隙狙ってくる奴しかおらへんの?」

 へっ……!?

 気付かれていないと思っていたけど、どうやら私がいる事は分かってはいたらしい。

 でも、彼はずっと下を向いている。今だってそうだ。

 足音なんて立ててないし、私のほうに見向きもせずにどうして分かったんだろう……。

 そんな疑問が頭に浮かんだけど、すぐに振り払う。