キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 せめて目的を教えてほしい……なんて、言えるはずがない。

 この状況で余計な事を言ったら、最悪の場合死が待っているだろう。

 さーっと、血の気が引いていく。

 そ、それだけは何が何でも避けなきゃ……! まだ殺されたくない……!

 スマホは……うーん、取り出せそうにない。

 ポケットに入れていたのが不幸中の幸いだけど、拘束されているせいで取れない。

 身をよじってみても、指先をめいっぱい伸ばして見ても……うん、無理そう。

 結局何をしても無理で、これ以上行動を起こすと流石に怪しまれそうだからやめておく……けども。

 そうすると、ぶわーっと漠然とした不安と底知れない恐怖に苛まれてしまう。

 私、これからどうなっちゃうんだろう……。

 身代金目当て、ただの愉快犯、人身売買。色々な最悪の可能性が脳裏にちらつく。

 でもはっきりと一つ分かるのは、例えどう転んだって良い方向にはいかないという事だ。

 い、命だけは助けていただきたいところ……。あ、でもできれば五体満足がいいです……。

 そう言える度胸があればどれだけ良かっただろうと、自分の弱さに落胆した。