キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

「じゃ、じゃあね聖来君っ! また明日……っ。」

 今度は階段から落ちないよう細心の注意を払いつつも、逃げるようにその場を後にした。

 急いでるからのドキドキなのか、聖来君だからドキドキしてるのか。

『夜優……あんたさぁ、明暮のこと好きなんじゃないの?』

 もう、分かんない……。



 わ、結構遅い時間になっちゃったなぁ。

 校門を出る前、学校の中庭に立てられている時計塔を見て苦笑が零れた。

 ついさっき日誌を届けに行って、本来ならそのまま帰るはずだった……んだけど。

『あ、夜優さん。今から帰りですか?』

『はい。風間先生、お疲れ様です。』

『……うん、そうだね。僕、本当に疲れてるのかも。』

『何かあったんですか?』

『まぁ、ね。先生には先生なりの悩みがあるんだよ、うん。』

『な、なるほど……?』

『でも……夜優さんには頼みたい事があるんだった。』

 蛍光灯が少ない渡り廊下で、社会科教師の風間先生に言われた事。

 それは少しだけ、自分の耳を疑う事だった。

『佐藤先生に、年端もいかない男の子は色んな意味で危ないから授業以外では相手にしないほうがいいよって……伝えておいてほしいんだ。』