キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 だけども、聖来君をどう誤魔化すかで頭がいっぱいだった私に届くはずもなく。

 二人の呟きは、がやがや賑わう学校の空気にいつの間にか呑まれていた。



 うーん、終わったぁ……。

 ずーっと聖来君とのことを考えていたからなのか、いつの間にか放課後になっていて。

 西日が入る教室、一人で日誌を書き終えて思う存分伸びをした。

 時計に目をやると、そろそろ部活に行かなきゃダメだなぁって時間になりかけている。

 まぁ、日誌届けてそのまま部室行けば那奈の説教は食らわないでしょ……。

 なんていう軽い気持ちで教室を出て、一直線に職員室を目指す。

「……あれ? 先生、大丈夫ですか?」

 つもりだったけど、道中何やら文字通り頭を抱えている国語教師の佐藤先生を見つけた。

 佐藤先生は廊下に置いてあるベンチで、目の前に広げている資料とにらめっこしながらため息を洩らしている。

 深刻そうで、ちょっとだけ声をかけても良いのか戸惑ったけどとりあえず現状を尋ねる事に。

 そうすると先生は今にも泣きそうな表情で、ちょこんと私の制服の袖を掴んだ。