キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

「……だって、興味ないもん。」

「興味云々の話じゃないよ! この春暁街に住んでるみんなは大体強制的に知るんだよ! それを!」

「……それって、日明財閥の人たちを崇めてるから?」

「そりゃそうでしょ!」

 当たり前だよね!と言いたげな結凛ちゃんは、キラキラした瞳をしている。本当に日明財閥に敬意を示しているみたいに。

 ……そうなんだよね、本当は結凛ちゃんの言う通りなんだよね。

 日本でも大規模なこの街、春暁街には多くの人が住んでいる。

 外国人も多い印象で、その人の多さ故なのか秩序が乱れないようにと……春暁街の権利を丸ごと握っている“日明財閥”が存在するんだ。

 でも、どんな人が日明財閥なのかも私たちには分からない。日明財閥のことは全部秘密らしい。

 それなのにどうして、みんな日明財閥を崇めるんだろう。私はそう思ってしまう。

 もちろん日明財閥のおかげで私たちは平和に暮らせてるし、何にも困っていない。時々、日明財閥主催の社交パーティーだったりイベントもあるらしいから、感謝や敬意を表しても何らおかしくはない。