キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 言われるがままにヘッドホンをつけ、何が起こるか分かっていないまま制止する。

 な、何されるんだろう……。

 那奈の思考回路が分かればいいのに、と思いながらも視線を向ける。

 その時那奈がスマホを軽く操作して、スワイプした後何かの再生ボタンを押すところが見えた。

 ……! これ、もしかして……。

 途端、流れてきたのは爽やかな恋愛ソング。

 一時期流行っていた曲で、コマーシャルにも起用されていた人気曲だ。

 確かテーマは……同級生との恋、だったっけ。片思いが両想いになる、甘酸っぱくて少し切なくてふわふわしている優しいもの。

 けどどうして、今私に?

 そう尋ねかけたけど、その刹那ある歌詞が飛び込んできた。

『ふとした時、胸が高鳴るのは君のせい』

 繊細な声で歌われた言葉は、妙に印象に残って。

 少しだけだけど、自分に重なるところがあるなぁって率直に感じた。

「……どう、聞いてみて。」

「見事なアオハルでした。」

「いやそうじゃなくって。他に感じた事は?」