キケンな冷徹関西男子は独占して溺愛して、どうしても手放したくないようで。

 ……ど、どういう意味?

 好き、って……そ、そりゃもちろん……。

「友達としてなら、好きだよ?」

「いやそっちじゃないの分かるでしょ。恋愛対象として、どうなのよ。」

「どうって言われましても……。」

 そんなの、分かるわけない。

 聖来君のことを、“恋愛対象”として好きだなんて考えた事もなかった。

 それじゃあ、あの時のドキドキもそうだったって事……?

「い、いやいや。そんなわけない、あるはずない。天と地がひっくり返ってもありえないよ。」

「めっちゃ否定するじゃん。」

「だってさ、私誰かを好きーってなった事なんてないからそんなの分からないって言うか、そもそも聖来君とは友達として一緒にいるのが楽しいというか……」

 言いたい事が上手くまとまらなくて、最終的に口ごもる私。

 那奈はその一連の流れを見た後、自分のヘッドホンを私に差し出した。

「ん。」

「え?」

「これ、つけて。」

「な、何で?」

「いいから、ほら。」

 投げられるように渡された、黒と紫の可愛い配色のヘッドホン。そこそこ重たいから多分良いやつで、値段もそれなりにしそう。