オフィスに戻ると、航と今後の打ち合わせをする。

「おっ、梅田さんから早速撮影候補日がメールで来てる。えーっと、25日の午後はどうですか?だって」
「はい、私はもちろん大丈夫です」
「そう。俺もリスケして同行するよ。じゃあ25日でって返信しておくね」

すると課長から声がかかった。

「立花さーん。定時だよ」
「あ、はい!」

凛は返事をして立ち上がり、航や課長に挨拶する。

「それではお先に失礼させて頂きます」
「はい、お疲れ様。気をつけて帰ってね」

にこやかに見送ってくれる課長にお辞儀をしてから、凛は部屋を出た。

結局、正社員になる話は丁重にお断りをし、今もまだ派遣社員として17時まで働いている。

凛はその足でスーパーに寄ると、航のマンションに行き、料理を始めた。

この後の航の予定は分からないので、夕食と夜食の両方を作り、ランチョンマットに食器を並べる。

次の日の朝食も軽く作って、トレイに載せて冷蔵庫にしまった。

「さてと!帰ろうっと」

掃除や洗濯も済ませると、徒歩5分のマンスリーマンションに帰る。

容器に入れて持ち帰ってきた自分用の夕食を食べると、カレンダーを見た。

「明日は土曜日!妙さんと勝さんに会える!」

ワクワクしながら、凛は早めにベッドに入った。