「え……?月雨ちゃん?」
エレベーターから出て、イヤホンを耳に挿そうとした彼がチラッと視線をこちらに向け、私の存在に気付いた。
驚いたように少しだけ目を見開く彼に、ぺこっと軽く会釈する。
「あの……先日は色々とありがとうございました。ドリンクとゼリーまで……」
「え。まさかそれ言うために俺のこと待ってたの?」
「……まぁ、こういうのは早めに伝えるべきと思ったので。でも、教室では話しかけずらいので」
天海くんがあまりにも、じーっと見てくるので思わず視線をそらす。
「ふーん。かわいいところあるね〜月雨ちゃん」
「だからその呼び方、やめてくださいっ」
「はいはい」
絶対直す気なんてなさそうな返事にため息をつく。



