となりの色気がうっとうしい

『出たよ、フウキさん』

『フウキさん?』

『双葉しらねぇーの?誰が相手でも、迷惑行為があったら躊躇なく注意するって言う……西木月雨だっけなあ?風紀委員の風紀からきてるんだって。通称フウキさん』

『へぇー、月雨ちゃんっていうんだ』

『ちょ、フウキさんにその呼び方は似合わねぇよ』

とケラケラ笑い出す連中。

彼らの笑い声が遠のくぐらい、ふたたび、彼女のさっきの声が脳内で再生された。

あの、汚物でも見るような冷たい目。
ぞくっとした。
別にMってわけじゃないと思うけど。

今まで、ちゃんと人に叱られたことなんて、あったっけ?そんな俺の人生に、まさに新しい感覚だった。

それからと言うもの、気付けば視線は彼女を探していた。

誰に対しても分け隔てなく……注意する。

群れない、媚びない。

自分とは真逆すぎる生き方が、眩しくて。

もっと知りたい。

そんな気持ちが募るなか、学年が上がり同じクラスになった。

ひょんなことから話すきっかけができ、今日は部屋にまで入ってしまった。

回復した西木さんにぶん殴られなきゃいいけど。

なんて考えながら、コンビニへと向かった。