はあ……!そろって大きなため息をつかれ、レインはびくりと体を揺らした。
何かおかしなことをしてしまっただろうか。レインがおずおずと会釈すると、お針子たちが一斉に胸を押さえる。ぐう!といううめき声まで聞こえて、レインはおろおろとユリウスを見上げた。レインの視線にすぐにこちらを振り返ったユリウスは、部屋の惨状に気付くと小さく噴き出した。
「お兄様……?」
「ああ、すまないね、レイン。最愛の妹が敬愛のまなざしで見つめられて嬉しいよ」
「レイン様は魔性ですねえ」
「ルルばあやまで!」
ふふ、と笑うユリウスと、しみじみ頷くルル。なんだか生あたたかい目で見られている気がする。そうこうしているうちに、ルルがパン!と手を叩いた。



