あら、あら?目をぱちくりさせているレインに、ユリウスがふっと笑う。いとおしさを形にしたようなその微笑みに、レインは場違いにも頬を真っ赤に染めてしまった。 混乱して、考えをうまく処理できない。 レインはぐるぐる回る頭を抱えて、今日までの出来事を思い返した。――そう、それは、ある雨の日のことだった。 ■■■