「アレン王子、お歳はいくつ?」
「ンとね、あのネ……3ちゃい!」
三本の指を突き出してにこにこと笑うアレンは、レインに「おねえちゃまは?」と尋ね返した。
「私はレイン――イリスレインというの。十八歳よ。アレン王子、よろしくね」
「よろちく、おねがいし……マス!」
「まあ、言葉が上手ね」
「エヘヘ……おべんきょ、しまちた!」
アレンはレインに抱き着こうとして、その手を止めた。
レインが豪奢なドレスを着ているから、皺をつけてはいけない、と思ったのかもしれない。生まれたばかりの時に母が亡くなったらしいアレンは、女官に育てられたという。……こんなに幼いのに、思慮深い子だ。
レインは両手を差し出した。
アレンはいいの?というようにレインと、レインの腕とを見比べていたが、レインが笑って頷くと満面の笑みになってレインの胸に飛び込んできた。
レインはそのままアレンを抱き上げて、頭を撫でる。小さな体はやわらかく、あたたかい。
愛しさがこみあげてくるようだった。ふいに、その時ノックの音が部屋に響いた。
「はい」
「レイン、入ってもいいかい?」
ユリウスの声だった。「もちろんです」とレインが返すと扉が開かれる。



