「それでは姫様、お外は暑かったでしょう。まずおぐしを整えましょうね」
「え……? でも、どこも乱れていないわ」
「え、ああ、ええっと……」
「ふふ、レイン、女官たちは、レインを着飾りたくて仕方ないんだよ」
「そうなのですか!?」
レインが女官たちを振り返ると、うんうんと皆一様に頷いて見せた。
ユリウスはすごい、女官たちの考えていることまでわかるんだわ。そう思いながらレインは「じゃあ、お願いします」と使用人たちへ向けて頭を下げた。
「姫様が頭をさげる必要などございません!」
驚いてレインを止めようとする彼らに、レインはにっこり笑う。
「いいえ、これは私のけじめなの。私は今まで公爵令嬢としてあなたたちに一歩引いてしまっていたわ。ごめんなさい。ここに……王城に来るなら、王女としての覚悟が必要だったのに」



