君のとなりは妹の指定席

 あたしだって、コータのとなりを歩きたい。

 そんなことを思ったこともあった。


 だけど、コータのとなりはいつだって寧々の指定席で。

 あたしは、そんな寧々のとなりを歩くことしかできなかった。


 だって、あたしには無理だから。

 寧々みたいな可愛らしい女の子にはなれないもん。


 いつだってコータのライバルで、寧々を守るナイトのひとりで。

 それでいいって、ずっと自分に言い聞かせてきた。


 なのに、そんな自分がこんなにイヤになったのは、今日がはじめて。


 コータが遠くに行っちゃう。


 やだよ。

 あたしだって、「コータがいなくなったら寂しい」って言いたいのに。


 だけど、コータを困らせるってわかってることなんか言えっこない。


 だから、コータを困らせる可愛らしい女の子の役は寧々に任せて。

 あたしだけでも、明るくコータを送り出してやらなくちゃいけないんだ。