君のとなりは妹の指定席

 あたしは、二階の自分の部屋に駆け上がった。

 心臓がドクドクドクドクとうるさいくらい大きく打っている。

 昨日、コータがあたしに持ってきてくれた、誕生日プレゼント。

 でも、コータが適当に選んだものなんか見たくなくて、手提げの紙袋に入れたまま、中も見ずにクローゼットに放り込んだ。


「……あった」


 震える手で紙袋を広げ、中に手を突っ込む。

 細長い四角い箱。


 あのときのコータの言葉を思い出す。

『うーん……ちょっと……こういうのって、なんつーか、彼女とか? そういうヤツにあげるもの、みたいなイメージなんだけど……』


 キレイにラッピングされた包装紙をもどかしく思いながらビリビリと破くと、箱を開け、中身を取り出した。


「こんなの……ちゃんと言ってくれなきゃ、わかんないよっ」

 目の縁にじわっと滲んだ涙をぐいっと手の甲で拭う。

 あれ。紙袋の中に、まだなにか……。

 二つ折りになったバースデーカードだ。

 取り出して開いた瞬間、ハッと息を呑む。


 慌てて立ち上がると、春用のショートコートを掴んで、あたしは玄関へと走った。