君のとなりは妹の指定席

「ねえ。奈々も、コータからの誕生日プレゼント、ちゃんと開けた?」

「……」

 無言のあたしを見て、寧々が小さくため息を吐く。

「コータの見送りは? ひょっとして、行かないつもり?」

「……寧々こそ。見送り、行かなくていいの?」

 なんとか言葉を絞り出す。


 あたしにわざわざこんなこと言わせないでよ。


「行かないよ。……行くわけないじゃん。だって、コータが来てほしいのは、わたしじゃないんだから」

「な、なに言ってるの? だってコータは……」

「なに言ってるのは、奈々だよ! ほんと、なに言ってるの!? わたしなんか、コータにとってはただの妹みたいなものなの。そんなこと、ずーっと前からわかってた。本当は、ずーっとコータのとなりにいる奈々がうらやましかった!!」

 ぎゅっと握りしめた寧々の拳が震えている。


 あたし……あたしは、ずっとコータのとなりを歩く寧々がうらやましかったんだよ?

 うらやましくて、うらやましくて……それでも、ずっと自分の気持ちは見てみないフリしてきたんだよ?


「——ねえ、花言葉って調べたことある?」

「なに、急に?」

「だよね。調べたことなんかないよね、きっと。ミモザの花言葉には『友情』っていう意味もあるけど、ヨーロッパでは『Secret Love』っていうんだって。コータが花言葉なんか気にするなんて、誰も気付くわけないよね。特に鈍感な奈々には、ハッキリ言わなきゃ気付くわけないのにね」


 Secret Love……ヒミツの、恋?