***
それから三日後の、3月30日の午後2時過ぎ。
コンコンコン。
遠慮がちにあたしの部屋のドアをノックする音がした。
「奈々……あのさ。誕生日、おめでとう」
コータの声に、布団の中で丸まっていたあたしは、思わずミモザ柄のクッションをぎゅっと抱きしめた。
「奈々がこの前言ってたこと……ヘタレな俺の頬を引っぱたいて、目を覚まさしてくれたような気がした。ありがとな」
じわっと涙が滲む。
——そっか。よかった。コータがちゃんとその気になってくれたのなら。
——寧々のこと、今度泣かしたら、本当に一生許さないんだからね。
言葉にできないまま、次から次へと涙がこぼれ落ち、シーツにシミを作っていく。
……今度こそ、失恋確定だ。
コータ。……ずっとずっと、大好きだったよ。
「奈々の誕生日プレゼント。ここに置いとくから。あとで見てくれたらうれしい」
かさっと小さく紙袋の音がする。
「それから。明日の16時06分の電車で、俺、東京に行くから」
コータが静かにそう言うのを聞いて、胸がぎゅーっと苦しくなる。
そっか。本当に行っちゃうんだね。
バイバイ……コータ。
それから三日後の、3月30日の午後2時過ぎ。
コンコンコン。
遠慮がちにあたしの部屋のドアをノックする音がした。
「奈々……あのさ。誕生日、おめでとう」
コータの声に、布団の中で丸まっていたあたしは、思わずミモザ柄のクッションをぎゅっと抱きしめた。
「奈々がこの前言ってたこと……ヘタレな俺の頬を引っぱたいて、目を覚まさしてくれたような気がした。ありがとな」
じわっと涙が滲む。
——そっか。よかった。コータがちゃんとその気になってくれたのなら。
——寧々のこと、今度泣かしたら、本当に一生許さないんだからね。
言葉にできないまま、次から次へと涙がこぼれ落ち、シーツにシミを作っていく。
……今度こそ、失恋確定だ。
コータ。……ずっとずっと、大好きだったよ。
「奈々の誕生日プレゼント。ここに置いとくから。あとで見てくれたらうれしい」
かさっと小さく紙袋の音がする。
「それから。明日の16時06分の電車で、俺、東京に行くから」
コータが静かにそう言うのを聞いて、胸がぎゅーっと苦しくなる。
そっか。本当に行っちゃうんだね。
バイバイ……コータ。



