君のとなりは妹の指定席

「おまたせ」


 コータを待ちつつチラチラとお店の商品を覗いていたら、レジで可愛くラッピングしてもらって、満足気なコータが戻ってきた。


「よし。そんじゃ、行くか。スイーツバイキング」

「え? ウソ。あれ、冗談だったのに」

「でも、ちゃんと付き合ってくれた礼がしたいし。それに……」

「それに?」

「いや、なんでもね。ほら、見てみ。ちゃんと割引券もゲットしてあるんだぜ」

 胸を張りながら、コータがあたしにスマホを掲げて見せる。

「そういうとこ、ほんと意外としっかりしてるよね。節約家のお母さんみたい」

 くすりと笑うと、コータが口を尖らせる。

「そーいうこと言うヤツには奢りませーん」

「冗談、冗談。ほらっ、早く行こ行こ」

 コータの背中を押して歩きだす。


 だって、嬉しすぎて緩んだ口元なんか見られたら恥ずかしいじゃん。


「朝ごはん、軽めにしといて正解だったなー」

「なんだよ。結局奢ってもらう気満々じゃん」

 あたしの言葉を聞いて、コータがぷっと吹き出す。

「うるさいっ。いいでしょ、別に」


 だって、もうすぐコータは遠くへ行っちゃうんだから。

 それに、普段は三人一緒。

 二人きりの時間なんて、はじめてなんだから。

 おかしなテンションで、ちょっとくらいはしゃいだっていいじゃない。