ズキンと胸が痛んで、それを逃すように深いため息をついてしまう。
「ため息つくと幸せが逃げてくらしーよ」
「……へぇ、初耳」
準備ができたらしくカバンを持ち上げた想介が言った。
誰のせいでしょーね、という言葉は胸にしまって玄関を開ける。
「今日単元テストあるよ、勉強した?」
「してねー。やべ。負けたらアイスな?」
してねーって言いながらいっつも私より高い点数をとるのはなんでなんだろう。
どうせ今回も負けるんだろうな。それでアイス奢らされるのも確定……。
わたしたちの間ではテストの点数負けた方がアイスを奢るという謎ルールが小学生から続いている。
小学生まではいい勝負をしていたけど、中学生からだんだん私が負けてばっかになってきた。



