驚いたけど引き返すわけにも行かず、いつものように軽く手を振ろうとした。
のに。
すっ、
「……え、」
他人とすれ違うときのように目すら合わせてくれなくて、
体中の細胞が暴れるように心臓が脈打った。
まさか手を振り返されないなんて思ってなかったから色んな感情が入り交じって分からなくなる。
なんで、無視なんか。
橘さんと一緒にいたから?
わたしと親しいって思われたくなかった?
どれだけ想定しても、想介の思いは私には分からない。
ぷつん。と、私の中の何かが切れる音。
「……ひまり、大丈夫?」
「……なんか、もういい」
「……ひ、ヒマリサン……?」
「もう、想介なんていい」
そんなにわたしは、
お邪魔むし、なんだね。



