私と先輩の甘い放課後






 心陽が生徒会に入ってきたのは、一年生の秋のことだった。


「春原 心陽です!生徒会の一員として、誠心誠意頑張ります!」


 可愛らしい見た目とは裏腹に、とてもしっかりした子だと思った。


 割り振られた仕事は真面目にきっちりとこなし、手が空けば他の人に声を掛け手伝いを申し出ていた。進んで紅茶を淹れてくれたり、書類の整理をしてくれたり。真面目すぎて疲れちゃわないかな、と少し心配したりもした。


 けれど彼女はそのどれもを楽しそうに取り組むのだ。


 負担にはなっていないようで安心しつつも、気付けば彼女を目で追うようになっていた。


 俺に紅茶を持ってきてくれる時、いつも嬉しそうに微笑んでくれる姿。作成した書類を褒めると、きちっと「ありがとうございます!」と言いながらも緩む頬。資料の作成に悩む姿も、愛らしくて可愛らしい。


 生徒会長として仕事量が多くても、合間合間に心陽の姿を見ては、もう少し頑張ろうとか、心陽にかっこいい先輩だと思われたいなとか、そんなことを思うようになった。


 きっともうその頃には、彼女のことを好きだったのだろうと思う。


 有難いことに俺はよく女の子から告白されていた。けれど、その子達のことも良く知らずに付き合うのは失礼だと思い、気持ちはとても嬉しかったがお断りしていた。


 いざ自分が告白する立場になって、ようやく彼女達の気持ちを知った。


 断られたらどうしよう。それでも好きの気持ちを伝えたい。


 告白って、こんなにも勇気のいるものなのだ。


 そうして俺は心陽に告白した。


 断られてもいい。伝えずに諦めるくらいなら、当たって砕けようと思った。


 心陽の返事は、「はい!喜んで!」と言う、簡単な二つ返事だった。


 俺がこの返事にどれほどの喜びを感じたのか、きっと心陽は知らないだろう。



 
 今日も俺の腕の中で落ち着かなそうに抱きしめられている心陽に、ゆっくりキスを落とす。


 とろけたような心陽の顔に愛しさを感じながら、今日も理性と闘う。


 心陽の嫌がることはしたくない。大事にしたい。



 俺はそうして今日も、可愛い彼女との甘い時間を堪能するのだった。




終わり