「もう、何がどうなってるのよ」

湯に浸かりながら、クリスティーナはため息をつく。

敵の要塞から王宮に帰ってくる間も、フィルはクリスティーナの質問をのらりくらりとかわし続けていた。

先程ロザリーを問い詰めると「申し訳ありません、わたくしの口からは…」と困ったようにうつむくばかりだった。

「フィルが王太子様ってこと?じゃあ今までのあの人は?」

考えたところで答えは出ず、のぼせそうになったクリスティーナは諦めて立ち上がった。