【短編】お向かいの双子くんは私のことがお気に入りらしい

笑いかけられた直後、近くでキャーッと小さく悲鳴が上がった。

顔を向けると、同年代の女の子達がこっちを見ながら興奮している。


紅輝くんと外出して知ったこと。それは、学校以外でも注目を浴びるということ。

さっきうろついてた時も、すれ違った子達の目がハートになっていた。


まぁ、気持ちはわからなくもない。


優しいしかっこいいし、おまけにスタイルもいいし。

ご近所さんの私でも一緒にいて楽しいもん、彼氏だったら毎日が幸せだと思う。


でも……誰とも付き合わないんだよね。


あれだけ告白されているなら……と思ったけど、そういう噂、全然流れてないし。もしいるなら呼び出される回数も減るはず。


私や郁恵ちゃん、クラスの子とも別け隔てなく接してるから、苦手意識はなさそうだけど……紅耀くんとは違った理由で断ってるのかな。


他のお店も見て回り、次はドラッグストアにやってきた。



「あったあった。良かった〜、まだ残ってて」



『お買い得商品!』と書かれたリップクリームを手に取った紅輝くん。

その隣には、現在使用中の色つきリップクリームシリーズがズラリ。


もちろん中には……紅耀くん愛用の色も。