あたしはフッと鼻で笑って立ち上がった。


「お前、マジで信じらんねーわ」


呆れた表情を浮かべながら起き上がって、少し乱れた髪をかき上げながら、大きなため息を吐いている。

そのまま呆れ返って、いっそのこと全てを白紙に戻してくれないかな。


「あのさ、九条なら女なんていくらでも選びたい放題でしょ?」

「うん」


・・・・即答かよ……。まぁ、即答するとは思ってたけど。


「だったらさ、他にもっと居るでしょ。なんであたしなわけ?」

「……何となく?」


・・・・ふっざんけんな!!

あんたの『何となく?』で、あたしの人生めちゃくちゃになりかけてるんですけど!?


「はぁぁぁ……で、あたしは何をすればいいわけ?どうせ『俺の言うことを何でも聞く』が終わらない限り、あたしに付きまとうつもりでしょ?」


さっさと終わらせて、九条とは完っ全に縁を切りたい。


「お前、天馬学園に来い。んで、俺の御付きになれ……以上」


────── は……?はぁあっ……!?


なによそれ。

マジで意味分かんないじゃん!!

“天馬学園”……あたしですら聞いたことある。

待って、待って、待って……!!

む、無理ぃぃぃぃ!!!!