俺様御曹司は逃がさない

「あたしと一緒に居て、あたしに何かあったとして、九条が俺のせいだって責め続けるのなら、あたしは九条と一緒に居たくない。あたしは……っ、あんたにそんなツラい思いをさせてまで、あんたと一緒に居たくないっ!!そんなあんたを見るのは……っ、あたしだってツラい!!」

「な、七瀬……」

「守ってよ……あんたがあたしを守ればいいだけでしょ!?今日みたいに!!あたしはあんたを守るし、あんたはあたしを守ればいいの!!ただそれだけ!!起きるか起きないか分かんないようなことをウジウジ考えないでよ!!だいたい、あんたが負ける姿なんて想像もつかないわ!!あたしは、あんたが勝つイメージしか浮かんでこない!!あんた人間離れしてんだから大丈夫。死ぬ気であたしを守んなさい!!あたしも死ぬ気であんたくらい守ってやるわ!!」


息を切らしてゼーハーゼーハーしているあたしを見て、クスクス笑っている九条。


「あんたねぇ……笑ってる場合じゃっ……」

「いやぁ、マジで無理だわ。降参降参~、完っ全にお手上げ。もうお前に勝てる気がしねえわ、ほんっと」


そう言いながら、少しだけ震えている手をあたしの頬に添えた九条。


「七瀬」

「うん」