俺様御曹司は逃がさない

・・・・俺が気付かない間に追い込んで、追い込まれて、壊れた時……俺はあいつに何をしてやれる?


本来、そうなる前にあいつを手離せば済むこと。

だけど、元よりあいつを手離す……という選択肢が俺の中に無い。


「手離せるわけねぇよな」


そう呟きながら目を瞑り、俺は眠りに就いた。


────── 翌朝。


スマホがガンガン鳴り響く音で目が覚める。


「チッ。うっせぇな」


スマホを手に取り、ディスプレイに表示されていた名前は霧島だった。

枕にスマホを置いて通話ボタンを押し、スピーカーにした。


〖おい、霧島。お前嫌がらせっ……〗

〖やべーぞ柊弥!!!!〗


霧島の焦った声……というより、もろ素が出ていることに対して、これはただ事ではないと察した。

すぐスマホを手に取って起き上がる。


〖どうした〗

〖七瀬ちゃんが居なくなった!!〗


『七瀬ちゃんが居なくなった』その言葉に一瞬、全て思考回路が閉ざされた。


〖──── い。おい、柊弥!!しっかりしろ!!〗


霧島の怒鳴り声で我に返る。