俺様御曹司は逃がさない

上杉先輩と前田先輩の間にバチバチと火花が飛び散っている。


「あ、あのぉ……喧嘩はよくない~と言いますか、言い争いは何も生まない~と言いますかぁ……」


あたしの声が届くはずもなく、バトルが始まる。


「言わせてもらうが、君も呑み込みが早い……と言えるレベルではないと思うが?」

「あらそう。なら、私以下の貴方は相当物覚えが悪い……と言うことでよろしいかしら?」

「君は随分と自己評価を上げているようだな」

「ま、そうね。隣に自分以下の人間が居ると……必然的にそうなっちゃうものでしょ?」


この2人の言い合い……なんか頭脳戦みたいな感じがして怖い。

凛様とあたしはため息を吐いて、近くにあるベンチにちょこんと腰かけていた。


「あたし上杉先輩と前田先輩が喧嘩するところ初めて見ました。怖いです」

「堅物同士の喧嘩って嫌よね。感情というより頭でやり合う……みたいな感じで」

「まさに“それな”です」

「ま、放っておけばいいわ。私が特別に教えてあげるから準備しなさい」

「あ、ありがとうございます!!」

「言っておくけど、あたしはスパルタよ」


そう言うと、どこからともなく黒鞭を取り出した凛様。


「いっっ!!」

「ぎゃあっ!!」

「うぎゃっーー!!」