俺様御曹司は逃がさない

「ま、前田先輩!!おっ、落ち着いてください!!教室が悲鳴を上げています!!教室が……あたし達の学舎がっ!!泣いてるよ、前田先輩っ!!」

「すみません。少々取り乱しました」


────── あれで“少々”とかシャレにならん。


「で、どうしたんです~?恋愛のスペシャリストである、この七瀬 舞でよければ話くらい聞きますよ~?」

「彼氏居ない歴=年齢の七瀬さんが恋愛のスペシャリストとは……分からないものですね」

「もぉ、冗談ですよ~。真に受けないでください」

「受けていません」

「……前田先輩。最近あたしをイジメることにハマってはいませんか。大丈夫ですか?」

「フフッ」


────── 笑って誤魔化すなぁぁーー!!



「あ、あの……あたしのせいだったら……ごめんなさい」

「違いますよ。七瀬さんのせいではありません」

「だって、あたしのせいでお二人の時間が……」

「……あの人、私に何て言ったと思います?」

「え?」

「『クリスマスなんて嫌でも毎年来るだろ。今年は舞踏会の成功だけを考えればいい。遊んでいる暇など無い。お前も浮かれるな、気を引き締めろ』だそうですよ?」