あたしはスンッとした顔で九条と上杉先輩を見る。


「─────── マジっすか」

「マジ」 

「ええ、大マジです」

「ええぇぇーーーー!?」

「ギャーギャー喚くな、やかましい。上杉、悪いけど前田借りていいか?」

「良いも悪いも私に権限等ありません。前田本人に確認してください」

「悪いね~。うちの“お荷物”が前田とのイチャイチャタイム減らしちゃって。ほらほら、謝っとけよ~?七瀬」


・・・・“お荷物”ってあたしかよっ!!

ま、そうだろうなとは思ってたけども!!


「スミマセン」

「謝罪は不要です。元は言えば私のミスなので」


前田先輩との“イチャイチャタイム”に関して、肯定も否定もしないのね、上杉先輩。


「お前死ぬほど社交ダンスに向いてないだろうけど。まっ、せいぜい頑張れよ」

「九条様に恥を晒すことのないよう励みなさい。くれぐれも、くれぐれも!!当日、九条様に恥をかかせることのなきよう」

「…………ぎょ、御意」


────── あたしの“平和”はそう長くは続かない。そんなこと分かってる。


こうしてあたしは、“平和”も“クリスマス”も……理不尽に奪われた。