俺様御曹司は逃がさない

相変わらず九条はうざいし、文化祭以降やたらキスしてこようとするし、毎回それを阻止するのもマジで疲れるし、ただでさえ距離感バグ男なのに、最近歯止めが利いていない=地獄(ストレス)。

あたしの平和とは……?


「なぁ、なんで拒否られてんの?」

「拒否られないと思ってるあんたの脳ミソどうなってるわけ?」

「いいじゃん。減るもんでもないし」

「大切な何かが減る」

「あん時お前からしてきてくせにー」

「させられたようなもんでしょ、あんなの」


廊下を歩くあたしにベタベタくっついて来て、本当に鬱陶しったらありゃしない。


「ったく、ケチ~な。これだから貧乏人は」

「これに至っては貧乏とか全く関係ないわ。ていうか、ベタベタくっつくのやめてくれませんか」

「寒いの~。せめて俺の暖を取る道具して役に立てよ。お前はそれくらいしか役に立たん。ま、お前の場合、大して温かくもねえから基礎体温上げる努力でもしとけ」


──────── どうやらあの世に逝きたがりらしいな、貴様は。


あたしから禍々しいオーラが解き放たれようとした時だった。


「九条様。取り急ぎご報告いたします。舞踏会の予定が大幅に変更されました」

「あ?なんで~」