俺様御曹司は逃がさない

・・・・ていうか、“手”離してくれないかな。もう外に出ちゃうんだけど。

手を離そうと思っても、ギュッと握り返されて取れないし。なにこれ、一種の嫌がらせですか?


「ちょっと九条……いくらなんでも、もう怖くないでしょ?手、離してくれない?そろそろ出口だって」

「ま、いいんじゃね?俺達こういう関係ですよってことで」

「どういう関係よ。ま、もう何でもいいから離して」

「嫌だね~」

「あの、いい加減にしてくれます?」

「じゃあ……お前からしろよ」

「はあ?何を?」

「キス」


──────── ハイ?


「いや、あの。仰っている意味がよく分かりません」

「大衆の場で手を繋ぎ続けるか、今ここで俺にキスするか……どっちか選べ」

「はあ?選択肢が両極端すぎて話になんないわ」

「あっそ。なら、このまんま手ぇ繋いでればぁ?」


え、いや、マジで繋ぎっぱで行くつもり?

ムリ、ムリムリ!!

でも、キスなんてもっと無理!!

どうする?どうしよう……!!

時間で言うと圧倒的に手繋ぎの方がキツい。キスは一瞬で終わる……でも、その一瞬がとてつもなく嫌だ。でも、手を繋ぎっぱなのもマジで嫌だ。


「ほらほら~、さっさと決めないと出ちまうぞ~」