俺様御曹司は逃がさない

またまたあたしの真後ろに立っていた九条。


「なんっで急に居なくなるのよ!!」

「あ?靴紐直してただけなんだけど」

「え?」

「俺、普通にしゃがんでただけだし」

「は?」

「なぁーんかお前が焦ってキョロキョロしてんなーとは思ってたけど」


────── ダメだ。うざすぎる。


「もういいっ!!1人で行く!!」  

「あ?やめとけって~、ビビりなんだから~」

「ビビりじゃない!!」 

「七瀬……後ろ!!」

「ヒィッ……!?」

「ほら、ビビってんじゃん。……ん、手」

「なに」

「手ぇ、繋いでやってもいいけど」


あたしに手を差し出してきた九条。

・・・・あたしは仕方なくその手を取った。


「あんたが怖いんでしょ~?仕方ないから握っててあげる」

「ほんっと可愛くねーよな」

「うっさい」


────── それから、お化け屋敷の恐怖より九条の鬱陶しさの方が遥かに上回って、手を繋いでたってこともあるかもしれないけど、なんとか出口付近に辿り着いた。


「大したことなかったわ」

「どの口が言ってんだよ」

「ま、あんたが怖そうにしてたから?それに合わせてあげてただけ」

「虚言かぁ?嫌だねぇ~」