俺様御曹司は逃がさない

「いや、こちらこそ失礼な反応してごめん」

「外で待ってれば」

「え?」

「怖いんでしょ。お化け屋敷」

「いっ、いやぁ~、そんなことないよ~?」

「さっきから震えてるよ」


────── どうやら無意識に震えていたらしい。


「こ、これは……武者震い」


・・・・山田君は何も言わなくなった。


──── そして、地獄のお化け屋敷が始まる。

あたしは手をクロスして、両二の腕をガシッと掴んだ。

学生が作ったとは思えないほどハイクオリティのお化け屋敷。

胡桃ちゃんは可愛く叫び散らかし、純君と共に先を進んでいる。


「んんんんーーー!!!!」


あたしは声を出さないよう唸っていた。

二の腕が引きちぎれるんじゃないかって思うほど、自分の力で握り潰している。

ああ、もう嫌だぁぁーー。めちゃくちゃ怖いよーー。無理ーー。誰か助けてーー。


「七瀬さん。俺の服掴んで」

「え?」

「いいから目、瞑ってなよ」

「はは。まるであたしが怖がってるみたいじゃん」

「……あ、その必要は無かったみたい。七瀬さん、見て。後ろに居るよ」

「ギャァァァァァーーーー!!!!!!」


あたしが叫ぶとベジッと頭を叩かれた。


「お前の声量どうなってんだよ」

「そ、そのうざったい声は……九条!?」