俺様御曹司は逃がさない

ベッドから立ち上がって、ドアの方に向かう九条。


「なぁにボケッと突っ立ってんだよ。さっさと行くぞ~」


いや、人混み苦手なんでしょ?そんな無理して行かなくたっていいのに。


「人混み苦手なんでしょ?あたし1人で行って来るから待ってっ……」

「どーせ変な奴に絡まれまくんでしょ、お前」


“俺が居れば絡まれたりしねえだろ?”……そう言っている気がした。

これも九条の優しさってやつかな?


「ありがとう」

「べっつに~。礼はその体でもいいよ~」

「冗談抜きで気持ち悪いわ」

「お前だけな?そんなこと言うの」


────── 賑わう天馬学園……というより、九条の周りが賑わいすぎて大変な騒ぎになっている。

そこに蓮様や凛様も加わったもんだから、とんでもないことになった。

咲良ちゃんも文化祭まで居ればよかったのに。ま、でも……彼氏があっちに居るからね。そりゃ帰りたくもなるか。


どうやら好きな人とは両思いだったらしく、夏季休暇の時に付き合い始めて~って感じっぽい。

夏季休暇ねえ…………ダメだ。思い出したくないことを思い出してしまった。

九条との……激しいキス。


「あ、七瀬さん!」

「純君」

「大変だねぇ……九条君」

「見てくれだけはいいからね」

「ははっ、相変わらずだね」

「胡桃ちゃんは……って、警備中か」