俺様御曹司は逃がさない

「僕がこの事をちゃんと報告していれば、勘のいい柊弥なら何かに気付けていたかもしれない」

「買い被りすぎだっての。仮に言われてたとしても分かんねーわ。それに、どーせこいつだろ?“お願いします!あそこで会ったことは九条に言わないで!絶対に!”とでも言われたんでしょ?お前ら」

「……まさか、宗次郎とあんなことがあった後に、私を助けてくれただなんて。貧乏人って本当にタフね」

「蓮様も凛様も約束を守っていただきありがとうございます」


ま、護衛が2時間ほど七瀬を見失ってたのは宗次郎とのゴタつきと、この凛達の件を含む時間だろう。

しっかし……あの様子は咲良も一枚噛んでるクサイな。


「咲良。なんか言うことはねーか」

「ご……ごめんなさい。私っ……」


咲良が何かを言いかけた時、ガチャッとドアが開いて、上杉に拘束されながら何食わぬ顔で宗次郎が入ってきた。

宗次郎を姿を目に捉えた瞬間、七瀬とのベッドシーンが頭を過る。

全身の血液が煮えたぎるようにアツい。沸騰した血液達が全身を巡って血管がブチブチと音を立て腫れ上がっていく。今にもブチ切れそうになった。

頭では“冷静に”……そう思ってたはずだ。

なのに、気付いた時にはもう体が勝手に動いていた。