俺様御曹司は逃がさない

どうせ……“見せられるわけねえだろ!!なんっでお前なんかに見せなきゃいけねーんだよ!!”とか、ガミガミ言うんだろうなぁ。


「どうぞ?思う存分見てくださーい」


ポイッとあたしのお腹に置かれた九条のスマホ。 


「え、いや……普通は見せないでしょ」

「俺は見られて困るようなことしてないんでね」


・・・・そっか、それもそうか。


「そんだけオープンクズなら、今更見られて困るようなことも無いよね~」

「自分の欲には素直に、下半身には従えってね~」

「それ、今後できるであろう好きな人の前とか、彼女の前では死んでも言わない方がいいよ」

「ええー?なんでー?」

「ウンともスンとも笑えないし、マジでドン引き案件。その容姿でギリカバーできるかできないかの際際ラインね」

「ふーーん。ま、いいじゃん?童貞より経験豊富な男の方が良くなぁい?」

「ま、人それぞれじゃない?」

「お前は?」

「え?」

「お前はどっちがいーの?」


いや、そんなこと言われても……ていうか、そんな期待を込めた瞳でこっちを見るな。


「どっちでも」

「どっち?」

「だから!!どっちでもいい!!」

「なら、経験豊富な方がいいってことで~」

「もう好きにして、面倒くさい」


九条のことだからもっと怒って、責め立てて、見捨てられるかと思った。

“お前みたいな女、もういらん”そう言われるかもって……。

もしくは“一生ナメた真似できないよう監禁してやる”って、地下牢か何かに閉じ込められる……か。いや、これも大いにありえそうで、全然笑えない。

・・・・なのに、なんでこんなにも大切そうにあたしを抱き抱えているんだろう。