俺様御曹司は逃がさない

咲良ちゃんがタイミングよく来てくれて助かった。

・・・・それにしても、宗次郎が一体何をしたいのか……さっぱり分からない。

九条を怒らせたいだけ……?

いや、命知らず過ぎでしょ。そんな馬鹿ではない。

九条を怒らせてもメリットなんて何一つないし。

というか、今のあたしにちょっかい出しても、もう九条が怒ったりすることもないんじゃない?

純粋にあたしのことが好きで……は無いな、ナイナイ。宗次郎からそんな雰囲気一切感じないもん。


「はぁぁ、もう……」


まぁ、でも……とりあえずキスマークだけは早く何とかしたい。これは誰にツッコまれても面倒でしかないから。

・・・・だいぶ子猫の引っ掻き傷でカモフラージュは出来てるんだけど、分かる人には分かっちゃうよな……ってレベルなんだよね。


「早く消えてくんないかな……」


あたしは歩きながら、検索ワード【キスマーク 消す 早く】と打ってサーチボタンを押そうとした。


「おい」

「ひっ!?」


真後ろから聞こえた声に肩をビクッと震わせ、慌ててスマホを隠した。

振り向くとそこに居たのはもちろん九条。


「びっくりしたぁ。驚かすのやめっ……」

「スマホ出せ」

「え?」

「出せっつってんだろ」


いや、なんでいきなりブチギレモードなの?