俺様御曹司は逃がさない

そんな人があたしを抱けるの……?

それに、あの九条のサーバントだよ?本気で抱こうなんて……常人なら思わないはず。

あたしはただ、“何もなかった”という言葉を宗次郎から言って欲しいだけ。


「別にさ、お互いフリーなんだから良くない?」

「あたしは嫌なの、そういうのが」

「あの人に処女を捧げるつもりだったのにって?」

「は?」

「そんな怒んないでよ」

「ふざけないで」


イライラする。

どいつもこいつも……本当になんなの?


「なに苛立ってるの?もしかして、あの人の"彼女"のこと?いやぁ、さすがの舞でもアレには勝てないでしょ。あの人も酷いよね~。散々舞のこと振り回した挙げ句、ポイ捨てだもんな」


そんなこと分かってる。

最近、登下校も別だし、連絡も格段に減ったし、あたしが避けてたのもあるけど、圧倒的に絡んでくる回数も減った。

あいつがクズだってことも重々承知してる。だから、飽きたらポイ捨てされるってことも最初から理解してたし、覚悟はしてた。

あたしはまだ九条に返さなきゃいけないお金もあるし、サーバントとして稼がなきゃいけない理由もある。だから、飽きられようが、ポイ捨てされようが、“解雇”されるまでは意地でも続けなきゃなんないの。