─────── とても安心する匂いに包まれて、体がフワフワする。
ゆっくり瞼を上げて、布団からひょっこり顔を出した。
久しぶりにぐっすり寝れたような気がする。
「んーー。今なんじーー」
ベッドから降りて、フラフラしながらスマホを手に取った。
「11時かぁーー」
・・・・九条いないし、どこ行ったかな……探さないと。
部屋から出ると誰も居ない。ま、時間的にそうだろうけど。
「多分授業になんて出てないだろうしな、あいつ」
適当に校舎内を歩いていると、あたしの視界に九条の姿が映った。
「もぉ、ようやく居たわ……。九っ……条……」
九条の隣には街中で見かけた、凛々しくて綺麗な女子が立っていた。
・・・・そっか。
九条の隣は、もう他の誰かのものになってて、あたしが立っててイイ場所じゃないんだ。
譲る、譲らない……とか、そんなことじゃない。
だって、元々あたしの場所でもないもん。
笑い合ってる2人を見て、“邪魔者はあたしか”と悟った。
最初からそうだったじゃん。九条はあたしのものじゃない。あたしは九条のものじゃない。ただのマスターで、ただのサーバントってだけ。
あたし達は“特別”なんかじゃない。
あたしは九条のサーバントとして、九条の幸せを願い祈る立場。
「お似合いすぎて言葉が出ないわ」



