俺様御曹司は逃がさない

俺はそれ以上何も見ず、これすらも見なかったことにして、画面を消灯し元の位置へ戻した。


「処女の相手なんかしたことあったか……?いや、おそらくねーよなぁ。あったとしても把握してねーし、何も知らねえ……」


俺は自分のスマホを取り出して、検索ワード【相手 処女 どうする】と入力しながら、ベッドのふちに腰かけた。


「いや、馬鹿か俺。何調べてんだよ、意味分かんねえー。やめやめ、アホらしい」


スマホをしまおうとした時、メッセージが届いた。


《天馬へ行く用事ができたの。少し会える?》

《時間次第》

《11時頃》


11時ならこいつ多分まだ寝てるだろうし、椿川もそう長居はしないっしょ。ま、いっか。


《遅れるようなパス》

《了解》


で、11時ちょっきりに天馬にやって来た椿川。


「サーバントちゃんは?」

「寝かしてる」

「あら、随分と寵愛なのね」

「で、何の用だよ」

「ドラマの撮影で着る予定の制服が可愛くなくて嫌なの」

「はあ」

「天馬の制服って数年前にリニューアルしてるでしょ?リニューアル前の制服が結構タイプなのよ。それをモチーフにしてもらおうかなって。だから、サンプルを貰いに馳せ参じたったわけ」


・・・・そんだけの為に俺を呼び出す神経を疑うわ。


「あらそ、ご勝手に」

「少しくらい案内してくれない?」

「その辺のやつに頼めばー?」

「もっとネタあった方が盛り上がるでしょ?ネット民は」


ま、七瀬も爆睡こいてるっぽいし、適当にネタがあれば愚民共が勝手に騒ぎ立てて、良いようになるか。


「ちんたら歩くなよ。俺、人に合わせて歩くのとかマジで無理だからー」

「本当に嫌な男ね」

「そりゃどーもー」