俺様御曹司は逃がさない

「九条も食べる?」


そう言いながら苺のヘタを摘まんで、チラッと俺を見てきた。


「ん」

「はい」


俺の口に苺を入れた七瀬の手を掴んで、ひょいっと俺の膝の上に乗せてベタベタ触った。


「ひゃあっ……!!ちょっ、なに!?」

「やっぱお前痩せた?」

「はあ!?」

「なんつーか、いつもと触り心地が違う」

「誤解を招くような発言はヤメて」

「……お前、しばらくイチゴ禁止な」

「え、なんで?」

「霧島がいちごダイエットが~とか言ってたから。だから禁止」


すると、クスクス笑い始めた七瀬。


「九条って肉付きがいいタイプが好きなの?」

「あ?別にあるだのないだの気にしねえけど。痩せすぎも太りすぎもシンプルに心配になんだろ。それだけ」

「あんた、そういうところ"だけ"はいいよね」


そう言いながら俺に奪われまいと、苺をパクパクと口へ放り込み始めた。

リスみたいに頬が膨らむ七瀬。


「フッ。可愛いな」


────── いや、俺……なんつった?マジで何を言ってんだ?


「お前じゃなくて、そのイチゴが……な?」

「あ、ああ……イチゴね、イチゴ……。ご馳走様でした。美味しかったです」

「おう」


スッと俺の膝の上から降りて、フラフラしながらベッドに倒れ込んだ七瀬。