俺様御曹司は逃がさない

「来い」

「え、ちょっ!?」


七瀬の腕を引っ張って溜まり場に向かった。

バンッ!!とドアを開けると、蓮達の視線が一斉にこっちへ向けられた。


「俺の部屋付近に誰ひとり近付くな」


そう言い捨てて部屋に入って鍵を締める。


「な、なに……?」


・・・・なんでそんなに怯えてんだよ、お前。


「なにお前。俺が怖ぇの?」

「ちっ、違う。そうじゃなくて……」


俺が近付くと、その分後ろへ下がっていく七瀬。


「はぁぁ。とりあえず寝ろ、お前」

「え?」

「どっからどう見ても寝不足だろ」


とりあえず顎で“ソファーに座れ”と合図すると、ちょこんと大人しく座った七瀬。

俺は冷蔵庫から苺を取り出して、それを七瀬に差し出した。


「まず食ってから寝ろ」

「……苺ってあたしの為に常備してくれてるの?なんか毎日食べさせてもらってる気がする」

「別にお前の為じゃねーし」

「でも九条、あんま食べないじゃん。食べても1粒、2粒くらいだし」

「お前ほど好きってわけじゃないからねー」

「……あたしの為だったら、ありがとうって言いたかっただけ。あたしの為じゃなくても、ありがとう……なんだけどね」


とか言いながら疲れたように笑って、俺から苺を受け取り黙々と食べる七瀬。