俺様御曹司は逃がさない

俺もねえっつーの。


「胡散臭い男とは思ってたけど、実際に会ったら確信に変わったわ」


ああ、なんつーか偽ってんのも面倒くせぇな。こいつに偽るメリットもデメリットも無さそうだし。


「で、そっちの条件は?」

「やっぱそういう感じなのね」

「あーー、別にそういうのいいからさ、さっさと話してくんね?俺、君みたいなの相手してるほど暇じゃないんだよね~」

「そ?九条君がそういうタイプで助かるわ」

「で、なんなわけ?」

「私、ヤクザと付き合ってるの」


────── は?

いや、知らねーし。そんなのマジでどうでもいい。

ご令嬢でモデルでヤクザの女ってか?笑えるな。


「でね?パパが最近、私の周りをどうやら嗅ぎ回ってるっぽくて。貴方にウソ彼を演じて欲しい……というか、“付き合ってるの?”的な、ちょっとした匂わせ程度でいいから。その間に彼がケジメつけるって」

「つーかさ、それって俺達にとってデメリットしかなくね?お互い表で活動してんだし」


俺は頭の弱ぇ奴と組む気はない。さて、この女はちった~頭が回るタイプか?


「だからそれを逆手に取るのよ」

「と言うと?」

「今回のドラマはラブストーリー」

「だから?」