俺様御曹司は逃がさない

郵便物は一度、門番の所で止まる。そこで危険物がないか機械を通して念入りにチェックされた後、各お付きへ渡り、再度チェックが入る。

霧島が俺に渡すってことは、物理的な危険性は無いってことか。

俺は茶封筒を手に取り、中から紙を取り出した。

開いてみると、そこに書かれていたのは【オマエがサイキンつれているオンナは オマエのタイセツなモノか?カワイイおんなダナ】それだけ。

・・・・差出人不明。


「霧島。これ、徹底的に調べろ」

「承知しております」


霧島が言いたいことがだいたい分かった。


「で、この女を利用すればいいんじゃね?ってやつか。お前もなかなか非道だね~」

「人聞きの悪い言い方はよしてください。一時的ではありますが、七瀬様から意識を逸らせることが出来ますし、椿川のご令嬢も柊弥様をわざわざご指名したということは……何かしらがあるはずです」

「要はWin-Winな関係で事が進むのなら……ってやつだろ?」

「ごもっとも」

「その御令嬢とやらにアポ取れ。話が通じる奴なら検討する」

「承知致しました」


────── で、数日後。


「単刀直入に言うわ。私、貴方には微塵も興味がないの」

「そうですか。それは残念です」